豊かな生き物を育む湖沼の再生
―汚濁湖沼の底質改善技術開発による健全生態系の構築―
研究の成果
本研究では、適切な規模の人工池を構築し、霞ケ浦の浚渫底泥を敷きつめ、湖水を導入した2つの実験池を用意し、底泥流動・酸化促進装置および人工藻場モジュールをそれぞれの池に設置し稼動させた。底泥流動・酸化促進装置が導入された池では、藻類の除去と底泥の好気化の効果は認められなかったものの、吸引水量を改良した小型装置用いた実験、およびシミュレーションによりアオコの除去率向上が確認されており、底泥流動・酸化促進装置の改良、運転条件の最適化を行うことにより、藻類の除去と底泥の好気化を同時に達成できる複合技術として水環境改善への適用が可能と考えている。
人工藻場を設置した場合には、アオコの除去率、濁度の除去率は高いため、沈水植物の植栽が困難な汚濁湖沼においても、沈水植物に代わるバイオフィルムを提供することが可能なため、湖沼等の閉鎖性水環境修復への適用が大いに期待できる。
本プロジェクトで検討した技術は、浚渫することなく、湖内で底質の改善が図られることから、費用対効果に優れた技術とかんがえられる。これら技術の実用化により、霞ケ浦のみならず、内外の富栄養化湖沼における水環境の質の向上及び流域環境の健全化が図られることから、社会的・経済的効果が大きいものと考えている。さらに、この研究で開発したアンモニア酸化反応を担う機能遺伝子に着目した定量PCR法によるアンモニア酸化細菌の固体群動態解析技術及びアンモニア酸化活性の指標としてのamoA 遺伝子の転写活性に基づくRT−PCR−DGGE法等の機能活性技術の開発は、底質改善の迅速評価法として活用することが可能である。